
パンジーとビオラは春を代表する花でしたが近年は秋咲き性を持つ品種が増え、全国的に見ると利用される場面が大きく変わりました。
温暖地では春よりも秋植えで使われることが多くなっていますが、寒冷地でも秋咲きの後は越冬させ、春に再び咲かせることができます。
もともと、パンジーとビオラは春の花です。
低温に遭遇した後の長日条件下(春)でよく咲く性質を持っていましたが、最近の品種は秋の短日でも咲くように改良されています。
このため温暖地では晩夏に育苗して秋~春に咲かせる使い方が増え、既に春の花ではないイメージになりつつあります。
かつて札幌ではパンジーの苗を生産する際、夏の間に種をまき、畑で育苗して越冬させた苗を春に掘り上げたものが販売されていたそうです。
パンジーとビオラにはたくさんの品種があり耐寒性はさまざまですが、寒くなる前に花壇へしっかりと根付かせることができれば、今の品種も多くは雪の下で越冬させることができます。
北海道でもわずかながら、9~10月に秋のパンジー・ビオラが店頭に並ぶようになりました。これからは、秋と春の両方で楽しむ花に変わって行くのかもしれません。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)