
フクシア(Fuchsia)はヨーロッパでは古くから親しまれている花で、小説『赤毛のアン』に登場する多くの植物のうちのひとつです。鮮やかな赤紫色(マゼンタ)をフクシアまたはフューシャと呼ぶことがありますが、この花の色に由来するそうです。日本でも昭和初期の頃から親しまれ、「ホクシア」「ホクシャ」「ボクシャ」と呼ばれることもあります。
いま、ヨーロッパではこのフクシアに再びブームが訪れ、それが日本へも来ているようです。
フクシアは基本的に、夏の暑さと凍るような寒さには弱い植物です。ですから一般的な品種では、夏の間は日陰や半日蔭に置くか切り戻し、冬は凍らない程度の環境で休眠させるのがよいとされます。しかし例外もあり、ガーデニング用にラベル苗で出回る「エンジェルス・イヤリング」は日本で育成された暑さに強い品種ですし、海外のカタログには寒冷地の屋外で越冬できる耐寒性の品種が掲載されています。
長日性の植物なので春から秋にかけての開花期が基本ですが、品種改良により日長に影響されず開花する品種も多くなってきました。このため室内や温暖地では短日期でも花を見ることができます。しかし咲かせ続けると花数が少なくなってきますので、その場合は枝の中間あたりで切り戻すと1~2か月後にまた咲かせることができます。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)