
プリムラ類の中でプリムラマラコイデスは優しげな姿が示すとおり、ややデリケートな植物です。
本来は多年草ですが暑さだけでなく湿気に弱いため、国内では一年草または二年草として扱われています。
ポリアンサ、ジュリアン、ブルガリスなどプリムラ類の多くは寒さに強く、雪の下で越冬できるものが多いです。しかしマラコイデスはそこまでの耐寒性はなく湿気に弱いため、北海道で越冬させることは困難です。
一方、冬に雨の少ない関東ではこぼれ種から育った株が2月頃からプランターできれいに花を咲かせるのを見ることがあります。
プリムラマラコイデスの鉢物が流通するのは晩秋から春。ホワイト、淡ピンク、濃ピンク、紫、赤紫などすっきりした小輪で可愛らしい一重の花のほか、まれに八重咲きの品種も見られます。
室内では涼しく明るい場所で長持ちしますが、北国の暖かな部屋では難しいかもしれません。雪解けまで咲いてくれれば十分、というつもりで窓辺の明るいところで咲かせれば、やわらかな香りと共に可憐に咲く花に、ひと足早い春を感じることができるでしょう。