
積雪期となり、公園や街路樹のナナカマドの存在感が増してきました。ナナカマドは初夏に白い花を咲かせ秋には紅葉、そして冬には赤い実が鮮やかに雪景色に映える、北国を象徴するような存在です。
この木は国内でも山地に広く自生する植物で、暑さにやや弱く寒さに強いことから北海道と東北で街路樹としてよく使われています。
ナナカマドの赤い実には、細菌やカビの発生と増殖を抑えるソルビン酸が含まれ、このおかげで実が腐らず落ちないのだと言われます。保存料として食品でも広く使われている「ソルビン酸」の名前の由来も、ナナカマド属植物の学名 「Sorbus」に由来するそうです。
ナナカマドの実は、食用としてマーマレードやジャムに加工されている例がありますが、何といっても真冬の野鳥にとって貴重な食料となっています。特に渡り鳥が多く来る季節には鳥たちが食べて潰れた実が木の下に散乱しますので、駐車場の傍などにはナナカマドを植えない方がよさそうです。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)