
日本では一般に「梅は1~3月、桜は3~4月に開花する」と言われ、特に温暖地では梅の開花で春の訪れをいち早く感じることができます。しかし寒冷地では梅と桜がほぼ同じ時期に咲くことが多いため、北海道では桜の華やかさに隠れてか、梅の花が話題になることは多くありません。
さて、温暖地では「まず梅が咲き、その後に桜が咲く」のに対し、寒冷地では梅と桜が同時期に咲くのはなぜでしょう?
梅も桜も、「夏の間に花芽を作る⇒秋に休眠を始める⇒冬の低温に一定期間遭遇して目覚める(休眠打破)⇒春先からの気温の上昇により生長・開花する」という仕組みは同じです。このうち休眠打破の時期は梅が1月頃、桜は2月頃で、その後の気温の上昇につれて開花するので、温暖地では梅が先となります。しかし寒冷地では1月も2月も気温が十分に低いため、梅の花芽が桜より先に生長することがなく最終的に同じ時期の開花になるようです。
似たような性質の梅と桜ですが、「桜切るばか梅切らぬばか」という言葉があるように枝を切る剪定の考え方は大きく異なります。
梅は、古い枝には花が着きにくくなるため、適度に剪定して若い枝が育つように手入れするのが良いとされます。一方、桜は枝を切ると切り口から腐敗して木が枯れてしまうことが多いため、太い枝を切るのはできるだけ避けるべきです。しかしどうしても樹形を整える必要があるような場合には、切り口を塞ぐ薬剤を使うのがよいでしょう。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)