
コスモスは、和名のひとつがアキザクラ(秋桜)で秋の季語にもなっています。このように和風の趣も感じさせるコスモスは、日本から遠く離れた原産地のメキシコからヨーロッパを経由して渡来し、今では日本の秋の風景を代表する花となっています。
コスモスは元来、日が短くなる条件で花芽を形成する性質(短日性)を持っています。このため通常の品種は春早く播種しても咲く季節は一定で、早く播種しすぎると、花が咲く頃には植物が大きくなりすぎて倒れやすくなることがあります。これは、前年のこぼれ種から育つ場合でも同じです。
一方、近年の新しい品種の中には短日性をなくしたものがあり、このような品種は発芽と生育に適した温度等の条件さえあれば、いつ播いても3カ月前後で開花に至ります。初夏から見られる早咲きのコスモスは、このような品種です。
原産地に咲く野生のコスモスの花色は薄めのピンクで、これがコスモスを代表する花色と思われます。その後、選抜によって白、濃いピンク、赤に近いピンク、複色(花の中心部が濃い色、花弁の縁が濃い色、ストライプ)等の多彩な品種が育成されて来ました。
この中で、日本の玉川大学でおよそ30年前に淡い黄色の品種が世界で初めて育成され「イエローガーデン」と名付けられました。その後、黄色系の品種はさらに改良され、今ではその血筋を引くオレンジ色や赤色の品種にまで発展しています。ただ、現在の黄色系の品種の多くは晩生なので、寒冷地では花が咲く前に冬が来て、低温のため枯れてしまうことがあります。
コスモスの近縁種にはキバナコスモスがあり、こちらは鮮やかなオレンジ色や黄色の花が特徴ですが、コスモスとは異なる植物です。