プリムラ ポリアンサとプリムラ ジュリアンの系統
~プリムラ ポリアンサとプリムラ ジュリアンの系統~
春の鉢花として店頭を彩るプリムラ ポリアンサとプリムラ ジュリアン。ホワイト・イエロー・ピンク・レッド・ブルー、ブラック、覆輪などカラフルな花を咲かせる鉢花は室内で楽しんだ後、寒冷地では屋外で宿根草として育てることができます。
<国内では一般に大輪がポリアンサ、小輪がジュリアンと呼ばれるが海外では異なる>
【品種改良の歴史】
これらの植物は初めヨーロッパで、3種の野生種(プリムラ ブルガリス、ベリス、エラチオール)を中心とした交配で作られたと言われています。当時はより大輪で鮮やかな花を目指した改良が進められ、中でも花弁の外側に白っぽい縁取り(レース)のある花が珍重されたそうで、今の品種にもその名残があります。当時、現地での呼び名はポリアンタ、ポリアンサス。
【日本での改良と分類】
これらの花はその後日本にも伝わり、ポリアンサの名で主に大輪の品種が流通しました。その後、日本の育種家が小型の野生種(Primula juliae)を交配して小輪のプリムラ ジュリアンができました。現在ではポリアンサとジュリアンの区別が曖昧で、国内では大まかに中~大輪のものがポリアンサ、小輪のものがジュリアンと呼ばれています。
【海外での分類】
一方、海外ではもう少し細かく分けられていて、Primula juliaeと呼ばれるタイプはごくわずか花壇用としてあるのみ。これは日本で言うプリムラ ジュリアンとは異なります。
現在のヨーッパの主流は日本と同じ、株の中心に花が乗るように咲くタイプで Purimula vulgaris、Primrose または Primula acaulisと呼ばれ主に室内鉢物用(日本ではポリアンサ)。
鉢物にも花壇に向くタイプはPrimula Polyanthus(=ポリアンサス)で、花茎が10センチ前後立ち上がり株から少し離れた上部に大きめの花が咲きます(日本でも、元々これがポリアンサ)。
さらに花壇に向くものとして、花茎が10センチ以上立ち上がりやや小ぶりな花を咲かせるPrimula elatior(=エラチオール)やPrimula veris(=ベリス)があります(日本ではこれらもポリアンサと呼ばれることがある)。
花が咲き終わったらゴールデンウィーク頃まで待って庭植えにします。寒さに当らなければその年に再び咲くことはありませんが、うまく根付けば雪の下で越冬し翌年以降は春~初夏に開花する宿根草として楽しむことができます。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)
月間アーカイブ
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2019 09月(コスモス)
2019 08月(ヤマユリ)
2019 07月(イトバハルシャギク)
2019 06月(セラスチウム(ナツユキソウ))
2019 05月(スイセンの楽しみ)
2019 04月(ふきのとうの役目)
2019 03月(野菜の花)
2019 02月(コンシンネ)
2019 01月(花壇用の花の室内種まき育苗)
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休業日
4月1日(月)
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営業時間
<2月~3月>9:30~15:00(温室店舗のみ)
<4月~7月>9:30~17:00
<8月~10月>9:30~16:00
<11月~12月>9:30~15:00(温室店舗のみ)