
今は真冬ですがサクラの枝には、ふっくらとしてつややかな芽を見ることができます。この冬芽はうろこ状の小さな皮に包まれ、寒さと乾燥から身を守りながら春を待っています。
サクラは夏から秋にかけて花芽をつくります。この花芽は秋から初冬まで休眠し、真冬の寒さで目覚めるのです。ですからこの時期に見られる枝先の芽はふくらんでいて、春を待つばかりの状態と言えます。
日本の秋は少し寒い日が続いた後に気温が上がるようなことがよくありますから、間違えて秋に咲いてしまわないために、「真冬の寒さ」で目覚める仕組みがあるのでしょう。
また、サクラの芽が十分に休眠するためには葉から送られる物質が必要です。もし休眠が不十分な状態で、台風や毛虫の大量発生などにより多くの葉を失ってしまうと間違えて咲いてしまうことがあり「狂い咲き」となります。
夏に花芽をつくる花木は他にもあり、ライラックやアジサイがそうです。この真冬の時期でも春を待つ芽を見ることができます。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)