
イチイは北海道ではオンコと呼ばれ、庭木あるいは生垣としてあちこちで見かける身近な木です。じっくりと生育し、寒さに強く、雪の重みにも折れにくい性質のため北国での利用に適しているオンコですが、赤い実の成っている時以外はあまり目立たない存在とも言えます。
オンコは雌雄異株の植物で、実ができるのは雌の木です。また、翌年の実になる花芽が形成されるのが晩夏から秋にかけてなので、それ以降の時期に剪定や刈込みをしてしまうと実着きが悪くなります。
オンコの赤い実は甘く、子供の頃に食べた方も多いと思いますが、果肉以外には種子を含めて毒がありますので飲み込まないよう注意が必要です。
12月を過ぎると、オンコの花芽が大きくなってくるので雌の木と雄の木を見分けることができます。この時期の雌の木の花芽は先が尖っていてまばらに付き、雄の花芽は球状で密に付きます。寒い季節ですがお天気のよい時にでも、観察してみてはいかがでしょうか。
(文:雪印種苗株式会社 研究開発本部 不破規智)